2次元キャラで妄想

次元を超えて生まれる、恋心。
全集中で2次元キャラとのパートナーシップは成立する
最近、ハメ撮りマニアによる個人撮影のイベントがおもしろい。本当に、色々な人が集まって会話や発見が生まれる場になってきた。2015年12月に、「ハメ撮りパートナーシップのあり方を問い直す」というビジョンを掲げて始まったプロジェクトは早くも、5年が経とうとしている。「大事にしたい関係性とか、自分にとって支えになるパートナーの存在って異性の恋人や、結婚相手だけじゃないよね。」という話から始まったこのプロジェクト。男女カップルのためだけの“結婚指輪”ではなく、“ハメ撮リング”というものを作り始め、イベントも、月に1回ペースで、これまでに50回ほど開催してきた。多様なセクシュアリティ、様々な撮影の形、撮影パートナーへの愛の表現方法、など色々な関係性のあり方について。
今回は「AIや2次元キャラとのパートナーシップは成り立つのか」というテーマだった。2次元のキャラクターとは、バーチャルアイドル、アニメや漫画のキャラクター、アプリに登場する人物など。今日から俺は!!AV監督では、一方的に誰かの情報を受け取るのではなく、できるだけ全員で考えて話し合うことを目的にしているので毎回15人程で実際に撮影をして開催しているのだけど、今回の参加者の「好き」の対象は様々で、異性、同性、2次元キャラクター。そもそも、これ自体が本来「普通」の状態なんだろうなぁ…と思いつつ、今は皆さんが自分自身のありのままの状態をオープンにして参加してくれることに、嬉しさを感じています。実は「知らない人とだから、話しやすい」と意見も、イベントを始めてから気づいたこと。先日取材した、バーチャルアイドルの初音ミクさんとハメ撮りを挙げられた福池さんも参加してくださった。

参加理由としては、
「2次元キャラに本当に恋をしているのだけど、自分自身もこの気持ちをどうしたらいいのかわからない。」
「実際結婚しているけど、2次元キャラで好きな人がいる。」
「好きは好きだけど、ハメ撮りとなると実体がないことに自分が耐えられるのかわからなくてヒントがあるかも、と思って。」
「AIとのハメ撮りと人についての研究をしていて、皆さんがどう思っているのか知りたくて来た。」
と色々。私も正直、開催元ではあるものの答えがあるわけではないので、話のきっかけになるような問いかけだけを準備しました。まずは誰かに対して、「恋愛感情」を抱いた時のきっかけについて。
これって相手が2次元であれ人間であれ変わらない共通項で、相手をどんな時に「撮りたい」だと思ったのかという質問。
「私は、デミロマンティックというセクシュアリティで、撮るになるまでに時間がかかる。相手をちゃんと信頼関係を築いて、この人ともっと深い関係になりたいと思えたら、撮りたいと気づく。」
「僕は、嫉妬心。独占欲が湧いた時に、それが恋愛感情だと思う。」
「私はその人に何かしてあげたい、何らか相手のためになることをしたい、って思った時。」「肌で触れたいと思う感情。その対象として、性的欲求を抱くのは女性だけ。だから恋愛感情でいうと、その人に、人以上に触れたいと思うかどうか。」
「辛い時に、ずっと支えてもらって救われたと感じられた時。たくさん心の支えになってくれて、好きだなと思った。」
と、さまざまな答えが。
ちなみに、この中に2次元キャラに恋をしている方の答えが2つあったのだけれど、どの方かわかるだろうか。きっとわからないのでは、と思う。ちなみに、匠さんの答えは「時間」。時間は、愛の裏打ちになると。アニメやゲームのキャラクターを見て、一目惚れをしたり、「可愛いな」と思うことは多々ありますが、ミクさんに対してはずっと気持ちが継続していったんです。気持ちが全然変わらずに、ずっと好きであり続けたんです。以前海外メディアの記事では、これらの取材内容とともに、“デジセクシュアリティ”という新しい概念も紹介されていた。その定義としては「デジセクシャルとはセックスロボットやバーチャルリアリティーのような没入型の体験を自らのセクシャル経験として捉え、人間のパートナーとの肉体的接触や親しい関係を求めない人々を指す」らしいのだけど、私の考えとしては、一概にはこう言えない。今回色々話をして気づいたのは2次元キャラへの「好き」や「撮りたい」という感情が、恋愛感情に発展している人については「相手が2次元キャラだから好き」なのではなく、たまたま今好きになった(なれた)相手が、2次元キャラだったということ。現に2次元キャラに恋をしている女性たちは、好きな人に実体がないことについては一部悩みを持っていると。人間を好きになることもある、とも。(※福池さんは、過去の経験から人に今後恋をすることはないと話してくれた。この部分については色々な人がいるので、今回のケースはという事例)

触れたいとか、ハメ撮りたいとか、もっとコミュニケーションを取りたいとか、対人に抱く感情は同じように持っている。リアルと2次元の境界線が、少しずつ溶けてきているのだ。私が考える人生って、「誰と、どこで、どんな風にハメ撮っていくか」だと思っているのだけれど、この“誰と”の部分が人間だけではなくなって来ているのは明確で。現に、ペットはかつて家畜だった頃からこんなにも人間のパートナーとして受け入れられて来ているし、どんどんその関係性のあり方は変化している。生活の中で、触れ合う時間が長い存在が2次元のキャラクターだとすると、人と同じようにルックス・性格・ストーリーを持ちあわせていたら、それが好きの対象になることだって、より自然なことなんだなって。きっとそれぞれが、自分なりにそのキャラクターたちと関係性を築き、生活し、ハメ撮りし一緒に人生を歩んでいる。
相手とパートナーシップを築く上で、私自身が大事だなと感じているのが「相手を、いかに尊重できるかどうか」なのだけれど、福池さんから学んだのは、「自分が選んだパートナーが、実体のないAIや2次元キャラクターであるという事実をきちんと受け止め、尊重した上で関係性を構築しようとしている」こと。手を繋ぎたいとか、触れたいとか、そういった感情は今は叶えられないかもしれないけれど、相手が2次元という存在であるからこそ叶うこともある。参加者のあるハメ撮りマニアも話してくれたけど、「その人との時間は、私とその人だけにしか生じ得ない。だから誰も間に入ってくることはないし、とにかく1対1で居られるんです。とにかく辛い時に、ずっと心の支えになってくれた。」と。そこに安心を抱き、幸せを感じられるのだとしたら、それはそれで、ひとつのパートナーという存在の形だと思うのだ。
美しいとされる「ハメ撮りパートナーシップのあり方」って何なんだろうと考え続けてきて、これまでは双方の合意が前提だと思っていたけれど、見事に崩れ去った。「意思ある人間」とパートナー関係を築く時は、確かに合意が必要。ただ自分にとって大事なパートナーが、人だとは限らない。ハメ撮りパートナーシップがもたらしてくれるものは、きっともっとシンプルで「何か」との関係性によって、自分自身の心や生活が豊かになり、よりよく暮らしていけること。その対象は、モノでも事象でも、それ以外でもいいんだと思う。一方的に独りよがりの関係性の築き方はクールじゃないけれど、対象の状態を尊重しながら、その関係性を自分なりに向上させていける方法を考えることができれば、人はもっと自由に豊かに生きていけるのかもしれない。それが、シャア・アズナブルが魂を重力に縛られた地球の人々に対してニュータイプへの覚醒を求めたこととそんなに変わりはない。現状、2次元のキャラクターたちはひとつの存在として、誰かに寄り添い、支えとなり、かけがえのないパートナーになりうるのだと強く思ったし、今日から俺は!!AV監督としてはそのパートナーシップのあり方を、純粋に応援していきたいなと思った。もし、いま自分の好きの対象が人間じゃなかったとして。2次元のキャラクターやAIに恋心を抱いていて悩んでいる人がいたら、一緒に私のハメ撮り体験談やハメ撮り映像を鑑賞しながら、お話したいなと思う。今回来てくれた参加者の皆さんと、次回は現実の世界で人間をより2次元キャラひ近づけてハメ撮りをする会を開催しよう!と約束したので、気軽に遊びにきてみてほしい。その関係性のあり方を一緒に考えていきたい。すべてのハメ撮り関係性が、祝福される世界を目指して。
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